情報委員のK.Tです。
今年の4月に開館した七尾市にある「花嫁のれん館」へいきました。
「花嫁のれん」は加賀藩領地加賀能登越中で始まった婚礼の風習です。
嫁入りの際に嫁ぎ先の仏間に実家の紋を入れた花嫁のれんを掛けてくぐり、仏壇にお参りした後に結婚式が始まります。
この花嫁のれんは結婚式が終わればほとんどの家ではタンスの奥にしまわれて二度と掛けられることはなく、婚礼時に一度だけ使われるものでした。
実際に仏間にのれんが掛けられている場面も再現され、内装には七尾仏壇や田鶴浜建具が使用されています。ここでは「花嫁のれんくぐり体験」として、実際に白無垢や打掛に着替えてのれんくぐりも体験できるそうです。
常設展示では、明治から平成までの花嫁のれんを見ることができ、時代ごとに色やデザインの流行を見ることができます。また、デザインには流行廃りがあるものの、時代を問わず生地は絹で、加賀友禅の手法を用いたものが主流だそうです。
これは今ではなかなか見ることができなくなった貴重な明治時代のもの。
大正(写真上)と明治(写真下)のものです。全体的に大正は落ち着いた青系統、明治は鮮やかな赤系統の色のものが多くありました。この色合いも当時の流行だったのかな?
そして、平成のものです。平成に入るとのれんの左下に花嫁の名前が記されるようになります。
館内では常設コーナーの他にも企画展示コーナーがあり私が訪れた時は「能登平家の郷 時国家の婚礼道具展」が開催されていました。
重要文化財にも認定されている婚礼道具には輪島塗や刺繍の染色や織りの技術に驚かさせられました。
ここで一句
「 母の思い 娘の覚悟 知るのれん 」